【画数の謎に挑む】 
 (12)画数を集計すると、こんなことがわかる!

 「集計」とは、格それぞれについて画数別の分布表とグラフを作成することを言います。 例えば、一般の人の天格(姓の画数)を集計ると、次のような分布表が得られます。
集計例
 この表から、天格では、11画、13画、14画、15画、17画の人が多く、日本人の3人に1人はこれらの画数の姓をもつことが分かります。


 さらに、分布表から画数別出現率のグラフを作成することで、様々な情報を読み取ることができるようになります。グラフ2-1は、一般の人の名前4万人分の集計結果から作成した、総格12画から51画までの画数別の出現率(%)の分布図です。

グラフ2-1
総格
・総格の画数別出現率グラフは上下動が激しく、滑らかなカーブにはならない。
・24画と31画が突出していて、これらをピークとする山型を形成している。
・日本人の名前の総格には、23画、24画、29画、31画、32画が多い。
・17画以下と48画以上では出現率が低く、いずれも1%に満たない。
などが読み取れます。このように、一般姓名とグループ別姓名を集計した結果を基にグラフを作成して、格についての調査を行います。

 分布表から作成した一般姓名のグラフとグループ別姓名のグラフとを重ね合わせて違いを見ることで、グループ別姓名と一般姓名との比較を行います。グラフ2-2は、先ほどの一般姓名の総格(グラフ2-1)に、「司法試験合格者」の総格と「架空の名前」(ドラマなどの登場人物)の総格を重ね合わせたものです。

グラフ2-2
比較グラフ
 青で描いた司法試験合格者のグラフは、一般姓名のグラフとほぼ連動していることが分かります。わずかに、31画で一般姓名よりも出現率が高くなっている点(その差は1%程度)以外は、目立った違いは見られません。司法試験合格者の名前と一般姓名とに差がほとんどないことから、総格に関しては、司法試験合格者に有利に働いている画数というものは存在しないと言え、難関と言われる司法試験に合格した人たちの名前と、私たち一般人の名前には、何ら変わったとこところはなかったということになります。
 司法試験合格者と一般姓名のグラフが、上下に振れながらギザギザを描いているのはなぜなのでしょうか? 実は、これは、姓名判断による影響の表れなのです。既存の姓名判断が画数の分布に与えている影響については、後ほど詳しく分析しますが、簡単に言えば、命名の際に、24画や31画などの大吉の画数が好まれ、26画や34画の大凶の画数が避けられるために、偏りが生じているからなのです。
 赤のグラフは「架空の名前」の総格です。吉数と凶数による変動がほとんど見られず、ほぼ左右対称な山型を形成しています。「架空の名前」とは、ドラマや小説、アニメなどの登場人物のことで、多くの場合、役柄や性格を表現する目的で作られた名前であるため、音の響きや文字の意味から伝わるイメージが優先され、姓名判断による画数の影響をほとんど受けていません。

 グラフ2-3は、一般姓名、司法試験合格者、架空の名前の地格(姓名の名の部分の画数)を比較したものです。形状は、総格のグラフと異なっていますが、ここでも、一般姓名と司法試験合格者の名前が姓名判断の影響を受けて、11画、13画、15画などの出現率が高くなり、2つのグラフはほぼ重なり合っています。

グラフ2-3
地格の比較
 このように、一般姓名とグループ別姓名の比較を行うことで、両者の画数にどのような違いがあるのかを調査するわけです。



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