【姓名判断の仕組みと矛盾】 
 (2)単なる文字の組み合わせなのに

 現在の姓名判断では、天格・人格・地格・外格・総格の五格で占う方法が主流となっています。格とは、姓の画数の合計、名の画数の合計、全ての画数の合計など名前を構成する文字の組み合わせのことで、青年期の運勢・中年期の運勢・晩年期の運勢、あるいは、家庭運・仕事運・結婚運など、様々な運勢を5つの格に対応させ、それぞれ、画数の吉凶によって占います。
 まずは、姓名判断での五格がもつ一般的な意味について簡単におさらいしておくことにしましょう。なお、本サイトでは、これら五格のほか、実験的に「頭格」というもう1つの新しい格も扱いますのでお楽しみに。

 天格
 「姓格」と呼ばれることもあり、姓の画数を合計したものです。祖先運や家柄を表し、晩年の運勢に影響を与えるとされます。姓は子どもが生れた時点で決まっていますから、唯一、命名時に確定している格ということになります。
 結婚や養子縁組などをしない限り変えようがありませんので、「天格が悪い」などと言われてしまうと、その苗字の人はかなり虚しい気分になることでしょう。それ故に、姓名判断では軽く見られがち…と言うと語弊がありますが、五格の中では比較的重要度が低く、この画数だけでの吉凶の判断は行わず、地格や人格など他の格の画数との関係によって意味をもつとされる場合が多いようです。予め決まっている苗字で運勢を決めつけてしまっては身もフタもないということなのでしょう。
 流派によっては、姓が1文字の場合に、「霊数」の1を加えることがあります。

 人格
 姓の末尾の文字と名の先頭の文字の画数を足したもので、流派によっては「主格」と呼ばれているように、五格の中で最も重要な格の1つとして扱われます。性格・能力・人生等を表していて人の一生の運勢を左右するとされ、特に中年期の運勢に影響を与えると言われています。
 人名の中心にある2文字から成って、姓と名を結ぶ格なので、主運を表す大切な格だと考えられているのでしょう。
では、結婚して姓が変わったら? 確かに、結婚によって人生が大きく変化することはあるでしょうが、姓が変わったからといって、途端に性格や能力までもが変わるとは思えませんが。

 地格
 名の画数の合計で、「名格」と呼ばれる場合もあります。幼年期・青年期の運勢を左右し、親子の関係や金運が表れるとされ、恋愛運や結婚運にも影響を与えるとも言われます。
 普通に考えれば、親から名を与えられてから死ぬまで、一生変化することのない部分ですから、最も力を入れるべき格、最も運勢全般を左右しそうな格だと思うのですが、人格や総格のパワーには敵わないようです。
 幼・青年期の運勢に影響を与えるという位置づけは、地格が姓名の下部を構成し、名前の根に当たると考えたためなのでしょう。

 外格
 姓名の全ての画数の合計から人格数を引いたもの。対人関係や仕事運、家庭運など、外的環境に関わる格だとされています。 名前の外側部分の文字だから外的要因による運勢を表すとしたのでしょう。
 外格については、それを重視する流派と補助的な扱いをする流派とがあり、中には、外格を省いて四格だけで占う流派もあります。また、流派によっては、1字姓、または1字名の場合に霊数1を加えることがあります。

 総格
 姓名の全画数の合計で、人生全般に作用します。特に晩年期の運勢に大きく影響し、家庭運や子供運などを暗示するとも言われます。
 人の一生の総合的な運命を表す重要な格とされています。

 頭格
 姓の先頭文字と名の先頭文字の画数の和です。例えば、太田仁美さんであれば、「太+仁」ですから、8画になります。
 頭格は本サイトで新たに定義する実験的な格であり、従来の姓名判断では用いられない、言わば “手垢の付いていない格” です。


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