【集計・分析結果2 姓名が伝えるもの】 
 (22)1文字の名前、3文字の名前

 グラフ4-4
外格
 外格では、地格・人格と比べて扁平で(画数が分散していて)上下の変動が少ない(姓名判断の影響がそれほど大きくない)のが特徴です。
 五格による姓名判断では、地格・人格・総格が重視されることが多く、どちらかと言うと天格と外格は軽視される傾向にあります。天格は苗字の画数なので変更できないことから、天格単独の画数の軽視は暗黙の了解となっています。外格では、単に画数を数えるのではなく「総格から人格を引く」という決まりが、直感的に分かりにくいこと、また、「1字姓や1字名では霊数をプラスする」という処理を必要とする流派もあって面倒なことなど、特殊な事情をもつ格であることから、一般の人たちに受け容れられにくくなっているのではないかと考えられます。流派によっては、外格を省いて四格だけ姓名判断を行うほどです。

 男性よりも女性のほうが、画数の小さい箇所での出現率が低く、画数の大きい箇所での出現率が高いのは、女性の名に1字名が少なく3字名が多いことが起因していると思われます。名前の文字数が多いほど外格の対象となる文字数も増えることになり、画数が多いほうへと分布が偏ることになるからです。これは、地格・総格でも同じことが言えます。
 ともに3字名が多い平成女性名、昭和女性名なのに、昭和女性名の偏りが小さいのは、外格に、画数の小さい「子」の文字が多く含まれるために外格の画数の増加が平成女性名ほどには大きくないからです。逆に、平成女性では、3字名に「亜由美」「玲衣奈」「明日香」「絵美里」「優希菜」「茉莉花」「亜理沙」のような、「子」以外の末尾文字をもつ名前も多いため、11画以下の小さめの外格の減少と、17画以降の比較的大きな外格の比率の増加につながっていると考えられます。
 また、昭和女性名では、「みゆき」「みどり」「めぐみ」「ルミ子」など、画数が比較的少ないひらがなやカタカナを含む名前の比率が高い(約8%)ことも文字数の割に外格が大きくならない理由の1つでしょう。

表4-5 1字名・2字名・3字名の割合
1字名・2字名・3字名
 昭和初期の男性名に、「孫左ヱ門」、「甚左衛門」といった4字名が稀に見られますが、全体に占める4字名の割合は0.01%にも満たないものでした。

 参考までに、姓の文字数では、2文字の姓が占める割合が全体の92.3%と圧倒的に高く、「森」「林」「原」「辻」「堀」「谷」「関」などの1字姓は3.6%、「佐々木」「長谷川」「小野田」「久保田」「波多野」などの3字姓は4.1%という集計結果でした。
 また、日本人の名前に最も多いパターンである「2字姓+2字名」が全体の68.3%を占めていました。



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