【姓名判断の崩壊と再構築】 
 (47)運勢に働きかける小さな力

 集計を終えた今、ここに記しておかなければならないのは、名前の画数には人生に影響を与えるほどの大きな力は認められないということです。一般姓名とグループ別姓名との画数出現率の比較では、その差が大きな箇所でもほんの数パーセント、せいぜい±3%程度に過ぎません。普通の人より3%だけ速く走ることができる、3%だけ腕力が強い、3%だけ知能指数が高い、3%だけ背が高い。その程度のことが大きな特徴になると言えるでしょうか。画数が人生に影響を与えるとしても、それは非常に小さな力だと思われます。
「3%なんて微々たるもの。画数と運勢なんて、まったく関係がなかった。」
「10万人の姓名から分かったのは、姓名判断が無意味だということ。」
このように結論づけることも可能でしょう。そのように結論づけるのが正しい判断だったのかもしれません。

 しかし、最後まで、姓名判断をバッサリと切って捨てることができず、画数と運勢との関係に引っ掛かりを感じていました。それは、一般姓名とグループ別姓名との間に少しの違いが見られたからでなく、グループによって画数の偏り方が異なっていたからです。画数が運命を左右するとまでは言えないにしても、画数的に政治家特有の傾向や音楽家特有の傾向が存在するという点が重要に思えたのです。
 所詮は3%、画数分布のわずかな偏りから導いた「統計的姓名判断吉凶表」も「良い名前の法則」も、結局は、「当たるも八卦、当たらぬも八卦」の域を出ないものなのかもしれません。しかし、根拠や結果の正当性を示すことさえできない姓名判断に比べれば、根拠を示して論理的な説明ができる統計的姓名判断の方がずっと信頼性の高い占いであることは違いありません。



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