【姓名判断の崩壊と再構築】 
 (48)姓名判断は変化すべき占いだ

 AなのかBなのか、二者択一を繰り返せば、占い師でなくても50%の確率で当てることができます。ところが、占う側と占われる側が1対1で対峙した1回きりの占いでは、この50%が、100%にも0%にも見えることがあるわけです。本来は50%の確率であっても、当たるように見せかけること、これが占い師の腕の見せどころだと言えるでしょう。
 一方、不特定多数を相手にした占いでは、実際に当たる確率を50%からどれだけ高められるかという話になるわけですが、多くの場合、占いに根拠がないため(占いの方法が先に出来上がっていて、そのルールに合わせて結果を得る形になっているので)、いつまで経っても50%の壁を越えられません。
 では、結果に合わせて方法を組み立てたらどうでしょうか。「このような結果になるためにはこのような方法が必要だ」と考えるわけです。占いの方法と結果との因果関係を強力にするためには、「結果」(データー)を十分に用意して解析する必要がありますが、これによって「当てるための占い」が可能となり、的中率は50%を超えるようになります。統計的姓名判断は、この考えから生み出されました。
 統計的姓名判断では、今現在の日本人の平均的な姓名と、特定のグループに属している人たちの名前とを比較したデーターが基になっています。ですから、統計的姓名判断は、現在の日本人の名前だけに適応したものです。女性の名前から「〇〇子」が消えていったように、今後、日本人の名づけの傾向に大きな変化が起こるかもしれません。そのときには、統計的姓名判断も姿を変える必要が生じます。
 占いの信憑性を高めるには、その根拠を明確に示さなければならない。クオリティーを維持するためには、統計に基づく再構築を適宜行わなければならない。占いとは、そのようにあるべきだと私は考えます。



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