【姓名判断の仕組みと矛盾】 
 (7)コンピューターさまさま

 十万人に及ぶ姓名の画数を集計するにあたって、一人一人の名前を手作業で集計するなどというのは余りに効率が悪い。そんなことをしていたら、全ての集計が終わるのに数年、いや、十年以上かかるかもしれません。これまで、姓名判断の統計的な検証が行われなかったのは、姓名データーを収集することの大変さもさることながら、この、五格の画数の計算・集計が、気が遠くなるほどの歳月を要する作業になることが予想されたからではないでしょうか。
 しかし、パソコンが身近な道具として普及した今、データーの集計はさほど困難なことではなくなりました。むしろ、個人情報の保護が叫ばれるようになった分、姓名データーの収集のほうがずっと面倒だと言えるでしょう。

 本サイトでの集計にも、自作の画数集計用ソフトウェアと漢字画数データベースを用いました。ソフトウェア開発の過程で、画数計算の合理的な方式とは何かを検討し、結果として、例外処理が発生しない方法……、つまり、旧字体と新字体については、名前として自分が実際に使っている文字の画数をそのまま数える方式を採用することにしました。部首の画数は、普通に常用漢字の画数として扱います。また、「々」は3画、数を意味する漢字もそのまま普通に画数を数えます。このようにルールを決めて統計処理を行いますが、言ってしまえば、どの方式、どの立場でも構わなかったのです。旧字体で集計すれば、旧字体による統計結果が得られる。新字体で集計すれば、新字体による統計結果が得られる。それだけのことです。「旧字体でやるべきだ」とか「サンズイは4画で数えるべきだ」とかいうことであれば、それはそれで可能でしたが、そのような方法を採ることのメリットや合理性が見つかりません。

 1つの基準に従って1つの統計結果を得る。基準を変えたとしてもその基準に則した統計結果が得られるだけであり、統計結果の重みは変わらない。だったら、合理的な基準の方がいいというだけのことです。このスタンスは、「霊数」の取り扱いなどについても同じで、流派によって異なるような特別ルールは除外します。



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