ヒエログリフ(hieroglyph)とは

 古代エジプト文明の下、約3500年間にわたって使用された文字で、聖刻文字、神聖文字、あるいはエジプト象形文字とも呼ばれることがあります。ヒエログリフには神聖なパワーが宿り、神殿や墳墓壁などにこれを記すことで守護されると信じられていました。
 知性と芸術が融合したその文字は、世界で最も美しい文字とも言われていますが、その形成過程を示すものが無く、ヒエログリフはかなり発達した形で突然に出現したと考えられます。

古代エジプト人が、どのように発音していたのかは正確には解っていませんが、例えば、「ち」=「chi」としてヒエログリフを対応させた場合、『くひ』に近い発音に、「しょ」=「sho」は『すほ』に近い発音になるであろうことが推測されます。
したがいまして、「ヒエログリフで名前を書こう」で出力されるヒエログリフは、名前の読みを表すのではなく、名前の文字を変換するとお考えください。読みに拘るのであれば、「ち」→「ti」、「つ」→「tu」、「しゅ」→「siyu」、「きょ」→「kiyo」などのように入力すれば、発音に近いヒエログリフになると予想されますが・・・あまりカッコ良くありませんね。

ロゼッタストーンとヒエログリフ

 1799年8月、ナポレオン率いるフランス軍がエジプト遠征の際、ロゼッタの町で、3種類の文字で記された石碑を発見します。これが、ヒエログリフ解読の鍵となったロゼッタ・ストーン(rosetta stone)です。
 石碑の上段はエジプト語のヒエログリフ、中段はエジプト語の民衆文字(ディモティック)、そして下段がギリシャ文字(コイネー)で刻まれていて、ギリシャ文字部分は簡単に読む事ができ、プトレマイオス5世を称える内容で、紀元前196年のものであることが解りました。
 当初、このロゼッタ・ストーンの出現によってヒエログリフの解読が簡単に行われるであろうと考えられていましたが、作業は予想外に難航します。これは、当時の学者たちが、象形文字であるヒエログリフは表意文字(絵の意味を表わす文字)であるという固定観念に囚われていたためです。そう、ヒエログリフは表意文字であるとともに表音文字(日本語のひらがなのように音を表わす文字)でもあったのです。ロゼッタ・ストーンの発見から20年余りの歳月を経て、このことに気付いたのが、フランス考古学者ジャン・フランソワ・シャンポリオンでした。以後、解読作業は飛躍的な前進をみせ、現在ではほぼ完全に解読されています。

ロゼッタ・ストーン全景

縦x横x厚:114.4cmx72.3cmx27.9cm

重さ:760kg

上段部分

ヒエログリフで名前を書こう

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