ケルトとは、紀元前６世紀頃に中央ヨーロッパに派生した国家も文字も持たない民族で、その呪術的宗教に基づく文化をヨーロッパ全土に広げて行きました。やがてはゲルマン民族に追われ、更にはローマ帝国の台頭とともにヨーロッパ大陸の周縁に追われることになりますが、ドルイド(魔術を行う僧たち)を中心とした社会が生んだ神秘的な文化の片鱗は、今もアイルランドやイギリス、フランスの一部に見ることができます。
　ケルト民族は、月の周期である２８日を一月として一年を１３の月に分けた独特の暦を持っていました。そして、森の民でもあった彼らはそれぞれの月に樹木の名前を与えるとともに、その月の守護樹の性質とその月に生まれた人間の性格には深い関わりがあると考えていました。１月から１３月までの守護樹の力を知ることで、その人の本質をも知ることができたのです。