《負の残像》(陰性残像、補色残像)
ある色をしばらく見続けた後、すぐに白い背景に目を移すとその色と反対の色が見えてくる。
左側の赤い丸の中心を十数秒間注視した後、右側の黒点を注視すると赤の残像として青緑が見える。
これは色の刺激が網膜に刻みつけられ、その色の刺激に網膜が順応した(弱められた)結果であり、 もとの色と反転した残像を負の残像という。負の残像はもとの色の心理補色である。
この残像は、明度・彩度・色相のそれぞれについて確認することができる。
負の残像


《縁辺対比》(マッハ効果)
色の境界部分では隣接する色の影響を受けて、一方は明るく、一方は暗く見える。(左図)
このように境界線部分色が変化して見える対比の効果を縁辺対比という。
この対比は明度段階の数を多くするか、境界部分に白または黒の線をいれる(右図)などで弱められる。
縁辺対比1
縁辺対比2

このような対比の現象は、空間的(あるいは時間的)に接近している場合の色相および彩度においても生まれる。下左図は色相による縁辺対比(彩度と明度を固定)、下右図は彩度による縁辺対比(色相と明度を固定)である。
これらの効果は、明度対比>色相対比>彩度対比 の順に大きい。
縁辺対比3
縁辺対比4



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《ハーマングリッド効果》
白の背景に黒の四角形を縦横等間隔に少し間をあけながら配置すると、白の帯が交差する箇所に影が見えてくる。これは、交差部分は他と比べて黒から少し距離が大きいため対比が弱くなり、対比の差が生ずるからである。このような対比効果をハーマングリッド効果という。これは明度対比の一種である。
ハーマングリッド効果


《明度対比》
隣り合う色によって、同じ色の明度が高く見えたり低く見えたりする(背景色の反対方向に図柄の明度が変化して見える)効果を明度対比という。下図では右側の灰色の方が暗く感じられる。
明度対比


《彩度対比》
隣り合う色によって、同じ色の彩度が高く見えたり低く見えたりする効果を彩度対比という。
背景色が図柄の色よりも彩度が低い場合は実際よりも図柄の彩度が高く見える。また背景色が彩度が高い同系色相のときは図柄の彩度が低く見える。下図では右側の図柄の方がくすんで見える。
彩度対比


《色相対比》
隣り合う色によって、同じ色の色相が変化して見える効果を色相対比という。
背景色に順応して負の残像(背景色の心理補色)が現れ、それが図柄の色と混色することで色相が変化して見える。下図では左側の図柄は少し緑みを帯びて見え、右側の図柄は少し赤みを帯びて見える。
色相対比


《補色対比》
隣り合う色が補色関係のときに互いの彩度が高くなったように見える効果を補色対比という。
補色対比は彩度対比の一種であり、彩度が高いほど対比効果は強調される。
下図では右側の図柄の方が左よりも赤の彩度が高く見える。
補色対比


《同化現象》(フォン=ベゾルト効果)
灰色の背景に黒い線で模様を描くと背景色が黒ずんで見え、白い線で模様を描くと背景色は実際よりも明るく見える。このように対比の効果とは逆に、ある色が隣り合った色に近づいて見える現象を「同化現象」または「フォン=ベゾルト効果」という。
同化は色相、明度、彩度のそれぞれに現象を確認することができる。背景に対して模様となる線が細くて量が多いほど、背景色のほうに同化がみられる。また模様の色と背景色が似ていると、その効果が強調される。(逆に模様の線が太いと対比が起こる。)

・明度の同化
下図では白と黒の線による明度の同化が起こり、左側の背景色は明るく、右側の背景色は暗く見える。
明度の同化
・色相の同化
下図では色相の同化により、左側の背景色は黄みの緑に、右側の背景色は青みの緑に見える。
色相の同化
・彩度の同化
下図では彩度の同化により、左側の背景色は高彩度に、右側の背景色は彩度が低く見える。
彩度の同化


《面積効果》
同じ色でも大きな面積と小さな面積とでは色の見え方が異なる。これを色の面積効果という。
視角1度から20度程度の中程度の視野では視角が大きくなるにつれて、より明るく鮮やかに見える。反対に暗い色は、より暗く感じられる。ただし、全視野が同じ色で覆われた場合には色順応が起こり、次第に色みが失われてゆき、最後には同じ明度の無彩色になると言われている。
面積効果


《透明視》
二つの図形の重なった領域に、最もふさわしい色を使うと、その部分が透けているように見える。
透明視


《膨張色・収縮色》
暖色系の明るい色は実際よりも膨らんで見え、寒色系の暗い色は収縮して見える。
膨張、収縮の見え方に最も影響するのが明度であり、明るい色ほど膨張して見えやすい。
下図の黒と白の楕円は同じ大きさであるが、白の方が大きく見える。
膨張色・収縮色


《進出色・後退色》
色によって、見かけの距離は変化する。
暖色系の色・明るい色は、寒色系の色・暗い色よりも、進出して見える。下図では、左側の方が右側よりも、青と赤の距離が離れて見える。これは、青が後退色、赤が進出色であるためである。
進出色・後退色


《ベゾルト-ブリュッケ現象》
同じ波長の光でも光の強度が変化すると異なった色あいに感じられることがある。明るさが増すと黄緑とオレンジは黄色に、青緑と青紫は青にシフトし、明るさが低下すると赤紫とオレンジは赤に、黄緑と青緑は緑にシフトする。このように照明光の強さによって色相が変化する現象を ベゾルト-ブリュッケ現象という。
赤・青・黄・緑の4色は光の強度が変化しても色相は変化しないので不変色相と呼ばれる。


《主観色》
下図はベンハムのコマ(Benham top)と呼ばれるものである。白と黒のパターンだけから成るこのコマを約5~10回転/秒で回転させると赤、黄、緑、紫などの色が見えてくる。色の見え方は照明の条件や回転速度によって異なる。このように物理的な対応を見出せない色知覚を主観色という。
主観色


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